「伊達の十役」は
仙台藩伊達家の御家騒動を題材にした作品群「伊達騒動もの」の一つ。
昭和54年(1979年)、
「スーパー歌舞伎」の生みの親、三代目市川猿之助(現・猿翁)が
約150年ぶりに復活させました。
みどころは、なんといっても一人十役の「早替わり」。
スーパー歌舞伎では定番の「宙乗り」もあり、
ワクワク感満載のスペクタクルな仕掛け=ケレンを随所に施した作品です。
今回、
この十役に挑戦したのは市川染五郎。
乳人政岡/仁木弾正/足利頼兼/高尾太夫/荒獅子男之助/
土手の道哲/赤松満祐/絹川与右衛門/腰元累/細川勝元と、
重要かつまったく異なる役柄を見事かつスピーディーに演じ分けます。
日ごろから、
和事・荒事、時代物・世話物と幅広いジャンルの立ち役(男役)ができ、
その上静御前のような女形も務められる染五郎ならではの、
当たり役といえましょう。
タグ:スーパー歌舞伎
漫画や絵本の歌舞伎化について@「ちょっと幕間」
新作歌舞伎が次々に誕生した2015年。
特にアニメでも有名な「ONE PIECE」が歌舞伎になったのは衝撃的でした。
かたや、「あらしのよるに」の原作は、狼のがぶと羊のめいの友情を描いた絵本。
「アニメや絵本を歌舞伎にするなんて、画期的!」と思われた方が多いかもしれませんが、
実は歌舞伎は昔から、このようなことをやってきたのです。
詳しくはこちらをどうぞ!
http://www.eigeki.com/special/column/kabukisaika_n10
特にアニメでも有名な「ONE PIECE」が歌舞伎になったのは衝撃的でした。
かたや、「あらしのよるに」の原作は、狼のがぶと羊のめいの友情を描いた絵本。
「アニメや絵本を歌舞伎にするなんて、画期的!」と思われた方が多いかもしれませんが、
実は歌舞伎は昔から、このようなことをやってきたのです。
詳しくはこちらをどうぞ!
http://www.eigeki.com/special/column/kabukisaika_n10
2015年10月の歌舞伎(2)新橋演舞場・松竹座
今年は新作歌舞伎が目白押しです。
今月、お目見えするのは市川猿之助のスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」。
ルフィ/ハンコック/シャンクス 市川猿之助
白ひげ 市川右近
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東巳之助
サンジ/イナズマ 中村隼人
ナミ/サンダーソニア 市川春猿
はっちゃん/戦桃丸 市川弘太郎
アバロ・ピサロ 市川寿猿
ベラドンナ 坂東竹三郎
ニョン婆 市川笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川笑也
マゼラン 市川男女蔵
つる 市川門之助
エース 福士誠治
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島典俊
レイリー/イワンコフ/センゴク 浅野和之
・・・なんのこっちゃ~??・・・と思われる方も多数おられると思いますが、
「海賊王に、俺はなる!!」のセリフで有名な「ワンピース」は
大河ドラマなのであります。
誤解を恐れずに言えば、「楼門五三桐」。
あれです、石川五右衛門の。
「楼門五三桐」は、今は南禅寺の山門に上がって「絶景かな、絶景かな~」っていう、
あそこしかほとんど上演されませんが、
実は五段からなる長編で、「五三桐」つまり豊臣秀吉とのからみがあって、
朝鮮出兵とか、当時の中国である明国の話とか、壮大かつ奇想天外な物語。
「ワンピース」にもたくさんのエピソードがつまっています。
その中で、今回「歌舞伎」になったのは「エース」編。
ワンピースの主役であるルフィのお兄さんがエースです。
処刑されようとするお兄さんを助けようと、
ルフィとその仲間が危険を顧みず海軍(権力側)に挑んでいく、
その一点でごらんになってください。
友情あり、家族愛あり、自分の信じる道をまっすぐに行くルフィと
そのルフィを信じる仲間の物語です。
私は「エース」のくだりが歌舞伎になる、と聞いたとき、
ああ、あそこは歌舞伎になるよ、なるほど~。と思いました。
今月の歌舞伎座、見てください。「阿古屋」。お白洲です。
今月の中日劇場、見てください。「俊寛」。島流しになる人が帰れるか帰れないかの話です。
「碇知盛」。源平の合戦で負けていく平家の武将が碇を巻いて海に飛び込む話です。
歌舞伎とは、生きるか死ぬかの瀬戸際で、人が何を考えるのか、そして
その人の誠は誰かに通じるのか、救ってもらえるのか、
救えないとしたら、彼の気持ちは誰かに受け継がれるのか・・・それが歌舞伎の真髄です。
だから、ワンピースは歌舞伎になるはず。
猿之助丈はマンガのイメージの衣裳にすると言っています。、
「歌舞伎の恰好したら歌舞伎なのかといえば、それは違う。
新作を作るときは、いったい何が歌舞伎なのか、すごく考えてつくります」と
テレビの番組で言っていました。
猿之助丈にとって、歌舞伎とは何なのか。
「ワンピース」を見れば、わかるのかもしれませんね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
松竹座では、7月に新橋演舞場で初演した「阿弖流為」が
大阪に進出、再演されます。
スピーディーな展開と、市川染五郎・中村勘九郎・中村七之助の
今でなければ見られない美しく、かつ目にも止まらぬ立ち廻りをご覧あれ!
今月、お目見えするのは市川猿之助のスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」。
ルフィ/ハンコック/シャンクス 市川猿之助
白ひげ 市川右近
ゾロ/ボン・クレー/スクアード 坂東巳之助
サンジ/イナズマ 中村隼人
ナミ/サンダーソニア 市川春猿
はっちゃん/戦桃丸 市川弘太郎
アバロ・ピサロ 市川寿猿
ベラドンナ 坂東竹三郎
ニョン婆 市川笑三郎
ジンベエ/黒ひげ(ティーチ) 市川猿弥
ニコ・ロビン/マリーゴールド 市川笑也
マゼラン 市川男女蔵
つる 市川門之助
エース 福士誠治
ブルック/赤犬サカズキ 嘉島典俊
レイリー/イワンコフ/センゴク 浅野和之
・・・なんのこっちゃ~??・・・と思われる方も多数おられると思いますが、
「海賊王に、俺はなる!!」のセリフで有名な「ワンピース」は
大河ドラマなのであります。
誤解を恐れずに言えば、「楼門五三桐」。
あれです、石川五右衛門の。
「楼門五三桐」は、今は南禅寺の山門に上がって「絶景かな、絶景かな~」っていう、
あそこしかほとんど上演されませんが、
実は五段からなる長編で、「五三桐」つまり豊臣秀吉とのからみがあって、
朝鮮出兵とか、当時の中国である明国の話とか、壮大かつ奇想天外な物語。
「ワンピース」にもたくさんのエピソードがつまっています。
その中で、今回「歌舞伎」になったのは「エース」編。
ワンピースの主役であるルフィのお兄さんがエースです。
処刑されようとするお兄さんを助けようと、
ルフィとその仲間が危険を顧みず海軍(権力側)に挑んでいく、
その一点でごらんになってください。
友情あり、家族愛あり、自分の信じる道をまっすぐに行くルフィと
そのルフィを信じる仲間の物語です。
私は「エース」のくだりが歌舞伎になる、と聞いたとき、
ああ、あそこは歌舞伎になるよ、なるほど~。と思いました。
今月の歌舞伎座、見てください。「阿古屋」。お白洲です。
今月の中日劇場、見てください。「俊寛」。島流しになる人が帰れるか帰れないかの話です。
「碇知盛」。源平の合戦で負けていく平家の武将が碇を巻いて海に飛び込む話です。
歌舞伎とは、生きるか死ぬかの瀬戸際で、人が何を考えるのか、そして
その人の誠は誰かに通じるのか、救ってもらえるのか、
救えないとしたら、彼の気持ちは誰かに受け継がれるのか・・・それが歌舞伎の真髄です。
だから、ワンピースは歌舞伎になるはず。
猿之助丈はマンガのイメージの衣裳にすると言っています。、
「歌舞伎の恰好したら歌舞伎なのかといえば、それは違う。
新作を作るときは、いったい何が歌舞伎なのか、すごく考えてつくります」と
テレビの番組で言っていました。
猿之助丈にとって、歌舞伎とは何なのか。
「ワンピース」を見れば、わかるのかもしれませんね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
松竹座では、7月に新橋演舞場で初演した「阿弖流為」が
大阪に進出、再演されます。
スピーディーな展開と、市川染五郎・中村勘九郎・中村七之助の
今でなければ見られない美しく、かつ目にも止まらぬ立ち廻りをご覧あれ!
スーパー歌舞伎「新・水滸伝」@新歌舞伎座
スーパー歌舞伎「新・水滸伝」、面白かったです!
私はこれまで「水滸伝」にも「梁山泊」にもあまり感情移入することなくやってきたので、
原作との関係はよくわからないまま、
ただ目の前の物語を楽しみました。
主人公は市川右近扮する林冲なのですが、
ドラマの中でもっともウェイトを占めていたのは
王英(市川猿弥)と、敵ながら彼に一目ぼれされる青華(市川笑也)。
猿弥が「見た目は醜男だが心がチョーイケメン」な男を清々しく演じる。
青華は「纏足(てんそく=女の子の足を小さくするために縛って成長させなくする)」をしていない女。
だからこそ剣の名手となったのだけれど、
婚約者の祝彪(市川猿四郎)は彼女を「できそこないの女」と蔑む。
自分自身を恥じて生きる青華に対し、
「そのままのそなたが美しい!」とアタックしまくる王英。
王英のラブコールに対し、かたくなに自分を閉ざす青華に対し、
王英の仲間であるお夜叉(市川春猿)は
「あんたの足は纏足はしていないけれど、自分で自分の心を常識で縛っている」と言い放つ。
「ありのままに」まあ、歌舞伎流「雪アナ」ともいえるけれど、初演はこちらのほうが早いです。
スーパー歌舞伎といえば、宙のりがお約束ですが、
宙のりは2回、3階からの大飛翔は1回だけでした。
でも、物語の中でとても大切なところで、必然性のある宙のりです。
飛躍はかなりの時間で、
どこの席に座る観客にも大サービスでした。
サービスといえば、
1階席を走り回る立ち廻りが通常なら見えない上階席の観客のために、
鏡張りにするアイデアも素敵です。
鏡の前で二倍に揺らめくランタンのともしびも美しかった。
何度も再演されている作品には、
いつの時代にも愛される普遍的なテーマがあり、
エンタメとしての創意工夫が凝らされていると改めて感心しました。
*大阪・上本町の新歌舞伎座も、今回が初めてです。

私はこれまで「水滸伝」にも「梁山泊」にもあまり感情移入することなくやってきたので、
原作との関係はよくわからないまま、
ただ目の前の物語を楽しみました。
主人公は市川右近扮する林冲なのですが、
ドラマの中でもっともウェイトを占めていたのは
王英(市川猿弥)と、敵ながら彼に一目ぼれされる青華(市川笑也)。
猿弥が「見た目は醜男だが心がチョーイケメン」な男を清々しく演じる。
青華は「纏足(てんそく=女の子の足を小さくするために縛って成長させなくする)」をしていない女。
だからこそ剣の名手となったのだけれど、
婚約者の祝彪(市川猿四郎)は彼女を「できそこないの女」と蔑む。
自分自身を恥じて生きる青華に対し、
「そのままのそなたが美しい!」とアタックしまくる王英。
王英のラブコールに対し、かたくなに自分を閉ざす青華に対し、
王英の仲間であるお夜叉(市川春猿)は
「あんたの足は纏足はしていないけれど、自分で自分の心を常識で縛っている」と言い放つ。
「ありのままに」まあ、歌舞伎流「雪アナ」ともいえるけれど、初演はこちらのほうが早いです。
スーパー歌舞伎といえば、宙のりがお約束ですが、
宙のりは2回、3階からの大飛翔は1回だけでした。
でも、物語の中でとても大切なところで、必然性のある宙のりです。
飛躍はかなりの時間で、
どこの席に座る観客にも大サービスでした。
サービスといえば、
1階席を走り回る立ち廻りが通常なら見えない上階席の観客のために、
鏡張りにするアイデアも素敵です。
鏡の前で二倍に揺らめくランタンのともしびも美しかった。
何度も再演されている作品には、
いつの時代にも愛される普遍的なテーマがあり、
エンタメとしての創意工夫が凝らされていると改めて感心しました。
*大阪・上本町の新歌舞伎座も、今回が初めてです。
