今私がはまっているドラマがフジテレビの月9ドラマ
「デート〜恋とはどんなものかしら〜」
浮世離れしたリケジョ・依子(杏) と
自称「高等遊民」 の文化系オタクにして筋金入りのニート・巧(長谷川博己)が
それぞれ自分の目的のために
恋愛抜きで結婚しようとするコメディです。

古沢良太の脚本が秀逸で、
リズムよいセリフがポンポンと飛び交い、
シチュエーションも意外の上にまた意外。
あっという間の1時間で、即座に次回が待ち遠しくなるという
久々にドラマで高揚感をあじわっております。
至福!

さて、
ではどこが歌舞伎に関係あるかと申しますと、
「Hey, Say! Jump」の中島裕翔が好演している鷲尾君に注目。
依子の父親の部下で、
何かと依子と巧の間に割り込んでくるのですが、
この人がまさに近松門左衛門の「封印切」でいう
八右衛門の役回りなのです。

よっくよく聞けば正論を言っている。
社会的地位や周囲からの信用、金回りは、主人公より上。
ドラマではニートの巧、近松では養子あがりの忠兵衛について
「こんな男に関わったら痛い目に合いまっせ」と
とことん忠告するのだけれど、
そしてリクツではその通りなんだけど、
なぜか「悪役」の損な役回りなのです。

これを爽やかイケメンの中島君がやっても、
やっぱり敵役は敵役、というところが
まさに八右衛門キャラ。
今月の松竹座では、片岡仁左衛門が演じており、
イケメンの八右衛門はなかなかようござんす。

自分のカネでもないのにおごろうとしたり、
贈り物をしたりする巧、
ニートなのに「出版社勤務」とか、
その幻想についはまりこんでしまう巧は、
「男が立たぬ」とかすぐ言っちゃって
本当のことを口にすることができず
「じゃあいいよ、やってやるよ」と逆ギレする忠兵衛そのもの。

依子はなんで正社員の鷲尾君には目もくれないのか、
経済観念ゼロの巧とどう絡まっていくのか…。

そんな月9のお話も交えながら、
3月6日は「封印切」のお話をします。
ぜひいらしてくださいね!

その前に、
2月6日は同じく近松の「曽根崎心中」についてお話しします。
ワイドショーの再現ドラマのような実話ものの中に潜む
無垢で一途なラブストーリー。
2月の松竹座でちょうどかかりますので、
予習にいらっしゃるのもよし、
「観劇した気」になるのもよし。
ぜひお越しください。

講座のお問い合わせはGINZA楽・学倶楽部まで。