まだ菊之助さんの知盛のレビューを書いていませんが、
取り急ぎ、8月の歌舞伎のご紹介を先にいたします。

歌舞伎座では、納涼歌舞伎が三部制で上演されます。

第一部は「おちくぼ物語」と「棒しばり」。
レジェンドになった故勘三郎丈と故三津五郎丈の「棒しばり」に
勘三郎の息子・勘九郎と、三津五郎の息子・巳之助が
二人して挑みます。
「おちくぼ物語」は和製シンデレラのようなお話。
七之助がシンデレラです。

第二部は「ひらかな盛衰記~逆櫓」と「京人形」。
「京人形」は、七之助の京人形に、勘九郎の左甚五郎。
思い描いただけで絵になる二人です。期待してます。
「逆櫓」は源平時代に取材した、
義経に討たれた木曽義仲ゆかりの者たちの物語で、
前半は「実は」の応酬、後半は立ち廻りが見どころです。
もう一つ、サブタイトルにもある「逆櫓(さかろ)」という技術を
習いに来る船頭3人の場面も有名。
国生、宣生、鶴松が、息を合わせてどこまで「櫓」を扱えるか、
それを見るのも楽しみの一つです。

第三部は「芋掘り長者」と「祇園恋づくし」。
「芋掘り長者」は、三津五郎が復活させた作品で、
踊りのヘタな藤五郎の代わりにお面をかぶって踊りを披露する治六郎が、
「仮面をとれ」と言われてしまう喜劇で、治六郎に巳之助が扮します。
「祇園恋づくし」は、さきごろ94歳で亡くなった小山三さんが
「今度これをやるといいわよ」とおっしゃっていたという演目。
祇園祭を背景に繰り広げられる、明るい恋物語です。

いつもと違って、11時、14時半、18時の開演。
特に第三部はお仕事帰りに予定できる時間ですね。

大阪では新歌舞伎座で「新・水滸伝」
市川右近を中心とした21世紀歌舞伎組が、
元祖「スーパー歌舞伎」を繰り広げます。
斜めの宙乗りあり。

市川海老蔵の六本木歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」
東京・六本木の初演を経て、
8月前半は名古屋中日劇場、後半は大坂オリックス劇場で上演されます。

夏は自主公演も多いです。
そのことは、また明日。