仲野マリの歌舞伎ビギナーズガイド

一度は観てみたい、でも敷居が高くてちょっと尻込み。 そんなあなたに歌舞伎の魅力をわかりやすくお伝えします。 古いからいい、ではなく現代に通じるものがあるからこそ 歌舞伎は400年を生き続けている。 今の私たち、とくに女性の視点を大切にお話をしていきます。

講座「女性の視点で読み直す歌舞伎」を
東京・東銀座のGINZA楽・学倶楽部で開いています。
歌舞伎座の隣りのビル。
窓から歌舞伎座のワクワクを感じながらのひとときをどうぞ!
これまでの講座内容については、http://www.gamzatti.com/archives/kabukilecture.html
GINZA楽・学倶楽部についてはhttp://ginza-rakugaku.com/をご覧ください。

タグ:封印切

2/6(金)、東銀座のGINZA楽学倶楽部で
「女性の視点で読み直す歌舞伎」講座の第14回
「いつまで生きても同じこと~「曽根崎心中」のお初」を開催、
無事終了しました。

お初は19歳にして、なぜ死に急いだのか。
彼女はいつの時点で死を覚悟していたのか。
「ロミオとジュリエット」や「ヴェニスの商人」など
シェイクスピア作品との類似にも触れつつ、
彼女の科白を丁寧に読み解いていきました。

また、
大ヒットしたのに、230年も上演されていなかった理由、
原作と原稿作品との違い、
常に「革新」と「大ヒット」を連れてくる、この作品の力の源、
60年、ほぼ1人でお初を演じ続ける坂田藤十郎丈の言葉、
などに触れ、
「曽根崎心中」の魅力に迫りました。

前日の雪で、交通機関の乱れなど心配しましたが、
当日は良く晴れて、ひと安心。
参加者の方々と「よかったね」と口ぐちに喜び合いました。
前日に
「講座はどうなるんですか」「雪の場合時間をずらしてもらえませんか」など
ご連絡もいただいたということで、
本当にありがたいと思います。

先月、講座で取り上げたシネマ歌舞伎「日本振袖始」を
ご覧になった方から「とても面白かった」と報告がありました。

講座についても
「お話を聞いていたので、みどころもおさえられたし、よくわかった」と
大変好評で、私もうれしかったです。

来月は3/6(金)13:30~15:30。
「封印切」についてお話しします。

今私がはまっているドラマがフジテレビの月9ドラマ
「デート〜恋とはどんなものかしら〜」
浮世離れしたリケジョ・依子(杏) と
自称「高等遊民」 の文化系オタクにして筋金入りのニート・巧(長谷川博己)が
それぞれ自分の目的のために
恋愛抜きで結婚しようとするコメディです。

古沢良太の脚本が秀逸で、
リズムよいセリフがポンポンと飛び交い、
シチュエーションも意外の上にまた意外。
あっという間の1時間で、即座に次回が待ち遠しくなるという
久々にドラマで高揚感をあじわっております。
至福!

さて、
ではどこが歌舞伎に関係あるかと申しますと、
「Hey, Say! Jump」の中島裕翔が好演している鷲尾君に注目。
依子の父親の部下で、
何かと依子と巧の間に割り込んでくるのですが、
この人がまさに近松門左衛門の「封印切」でいう
八右衛門の役回りなのです。

よっくよく聞けば正論を言っている。
社会的地位や周囲からの信用、金回りは、主人公より上。
ドラマではニートの巧、近松では養子あがりの忠兵衛について
「こんな男に関わったら痛い目に合いまっせ」と
とことん忠告するのだけれど、
そしてリクツではその通りなんだけど、
なぜか「悪役」の損な役回りなのです。

これを爽やかイケメンの中島君がやっても、
やっぱり敵役は敵役、というところが
まさに八右衛門キャラ。
今月の松竹座では、片岡仁左衛門が演じており、
イケメンの八右衛門はなかなかようござんす。

自分のカネでもないのにおごろうとしたり、
贈り物をしたりする巧、
ニートなのに「出版社勤務」とか、
その幻想についはまりこんでしまう巧は、
「男が立たぬ」とかすぐ言っちゃって
本当のことを口にすることができず
「じゃあいいよ、やってやるよ」と逆ギレする忠兵衛そのもの。

依子はなんで正社員の鷲尾君には目もくれないのか、
経済観念ゼロの巧とどう絡まっていくのか…。

そんな月9のお話も交えながら、
3月6日は「封印切」のお話をします。
ぜひいらしてくださいね!

その前に、
2月6日は同じく近松の「曽根崎心中」についてお話しします。
ワイドショーの再現ドラマのような実話ものの中に潜む
無垢で一途なラブストーリー。
2月の松竹座でちょうどかかりますので、
予習にいらっしゃるのもよし、
「観劇した気」になるのもよし。
ぜひお越しください。

講座のお問い合わせはGINZA楽・学倶楽部まで。




 

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