仲野マリの歌舞伎ビギナーズガイド

一度は観てみたい、でも敷居が高くてちょっと尻込み。 そんなあなたに歌舞伎の魅力をわかりやすくお伝えします。 古いからいい、ではなく現代に通じるものがあるからこそ 歌舞伎は400年を生き続けている。 今の私たち、とくに女性の視点を大切にお話をしていきます。

講座「女性の視点で読み直す歌舞伎」を
東京・東銀座のGINZA楽・学倶楽部で開いています。
歌舞伎座の隣りのビル。
窓から歌舞伎座のワクワクを感じながらのひとときをどうぞ!
これまでの講座内容については、http://www.gamzatti.com/archives/kabukilecture.html
GINZA楽・学倶楽部についてはhttp://ginza-rakugaku.com/をご覧ください。

タグ:坂東玉三郎

坂東玉三郎は
泉鏡花幻想小説の舞台化・映像化をライフワークとしています。
鏡花作品の品格や美意識を舞台化するときに発揮されるのが、
玉三郎の発想の斬新さ・表現の自由さ。
ときに「これこそ歌舞伎」という観客の固定観念をも飛び越えていきます。
たとえば
『海神別荘』の登場人物はほぼ洋装。
『天守物語』では姫路城の天守閣内部を4本の柱のみで表現。
現代劇にも通じるような何もない空間は、
俳優にとって力を試される場にもなりました。
『高野聖』では終演後の舞台に6台のカメラを入れ、
昼間の森もロケーション映像を挿入するなど、
映像でしか表せない方法で臨場感を出しています。
坂東玉三郎という最高の理解者が「翻訳」してくれるおかげで、
私たちはともすれば難解でとっつきにくい泉鏡花の作品の
本質に触れることができるのかもしれません。
詳しくは→ 

九月の歌舞伎座、「吉野川」必見です。
中村吉右衛門、坂東玉三郎、市川染五郎、尾上菊之助、
芸の真髄の継承が行われています。
見た目も舞台装置がとても特殊で、
両花道を楽しめることもあり、
今をはずすとなかなかかからないと思います。ぜひ!

9/11(日)、GINZA楽学倶楽部で「吉野川」が
「妹背山婦女庭訓」という長いお話のどの部分で、
どうつながっているかを含め、
歌舞伎座の公演を楽しむためのみどころなどをご紹介しました。


以下、参加された方からいただいた感想です。

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講座を受け、ものすごく当たり前のことに気づけました。
目からウロコです。

歌舞伎も「芝居」「ドラマ」と一緒なんだ!と。

歌舞伎って、伝統芸能。
歴史的なことや、話し言葉と違い台詞もなにいってるのかよくわからずハードル高いです。

イヤホンガイドは便利なの?
いやいや、舞台に集中できなくていやだな。。
なんか、観るまえから面倒くさくなってしまいます。 

難しい、理解できない、わかんない、と先入観でがんじがらめでした。

ハードルをあげていたのは、自分の偏見が原因ですね。
 

かなりかみくだいて現代ドラマ風(笑)にアレンジしてくださったこともあり、
とても解りやすかったです。

講座の解説をきき、テーマがあり、人間模様、感情、などなど、
テレビドラマやミュージカルをみるときとかわらないと感じました

仲野さんの解説で、場景がうかび感情移入できましたもん。
観てないのに、すごいですよね。

上手下手のお話(*)も興味深かったです。
 

少し偏見がとけ、歌舞伎に対する肩の力がぬけたような気がします。

ありがとうございました。

(*)上手下手のお話とは
歌舞伎は舞台のどこに立つかで登場人物の上下関係や
精神的な強弱関係がわかる、というお話 

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10月からは「仮名手本忠臣蔵」の大特集です。

 
詳しくは

http://ginza-rakugaku.com/まで

1月歌舞伎座公演昼の部で、
私がもっとも魂震えたのは、坂東玉三郎の「茨木」でした。
渡辺綱(わたなべのつな)が鬼と戦って左腕を切り落とし持ち帰ると、
その鬼が、真柴という綱の叔母に化けて、綱の屋敷に左腕を取り返しに来ます。
綱は安倍晴明から「絶対に誰も入れてはいけない」と言われているので、
恩ある叔母とはいえ、門前払いを余儀なくされます。

玉三郎の真柴、不気味です。品はあるのですが、不気味です。
「あなたのことをこんなにかわいがったのに、どうして入れてくれないのか?」
そのあまりの説得力に、
鬼の化身とわかって見てるはずのに、
(もしかして、ほんとの叔母さんか?)・・・などと疑い始める自分がいて、
晴明の戒めに従って初めは門前払いした綱の行いに思わず胸をなでおろしてしまいます。
とぼとぼ帰っていく真柴を呼び止めて屋敷に入れてしまう綱は正しい!
「人として当然」のレベル!と思ってしまいました。

ところが!

屋敷の中で機嫌よく舞など見せていた真柴が
「鬼の腕というものを見てみたい」と言い出して、綱も見せちゃって、
箱の中から腕を取り返す直前の形相ったらもう、怖いのなんの!
…先ほどと何ら変わらぬ真柴の出で立ちですが、ほんとの鬼かと思いました。

間狂言(あいきょうげん)になったときには心からホッとした。
間狂言というのは、能から来る言葉です。
前半と後半でシテ(主役)が衣裳を変えて出るために、
その間の時間に狂言でお客をなごませてくれるものです。
前半の真柴に集中しすぎて、クタクタだったから、間狂言って必要だとつくづく思いました。

鬼になってからがまた、ここまでやるかっていうオソロシイ隈取でしたが、
私は真柴の顔が、隈取なんかしなくても一瞬で鬼に変わったシーンが忘れられません。

今年初めての「女性の視点で読み直す歌舞伎」は、
泉鏡花の「高野聖」を取り上げました。
坂東玉三郎、中村獅童でシネマ歌舞伎にもなっています。

最近「高野聖」について、玉三郎さんのインタビューをさせていただきました。

なぜ「女」であって、名前がないのか。
「女」は実は客体であって主人公ではない。
そんな玉三郎さんの指摘もあり、
小品ながら深く普遍的なお話だということを改めて理解したところでした。

これは、人生の岐路に立ったとき、人間としていかにふるまうかを問うた作品です。
本日は、新しく参加された方がたくさんいらしたので、自己紹介も含め皆さんの感想もお聞きしました。
楽しい時間を過ごしていただけたようで、ホッとしています。

今月の歌舞伎座は、

「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)~十種香」
木下順二作「赤い陣羽織」
「重戀雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」

本朝廿四孝では八重垣姫を中村七之助が、濡衣は中村児太郎、勝頼が尾上松也のフレッシュな顔ぶれで。
「赤い陣羽織」は肩の凝らない民話仕立て。喉をつくって「牡丹燈籠」で玉三郎相手に抜群の呼吸を見せた市川中車と、若いながら変幻自在の女方を務める児太郎に期待。
「重戀雪関扉」はなんといっても玉三郎の傾城墨染実は小町桜の精が眼福。
そして松緑が関守関兵衛実は大伴黒主をどこまで大きく演じられるかがカギです。
 

通し狂言「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」
「杉酒屋」は文楽ではよくかかりますが、歌舞伎ではあまり出ません。
「杉酒屋」「道行恋苧環」のお三輪は七之助、「金殿」のお三輪は玉三郎が演じます。
橘姫は児太郎。
今年4月の平成中村座で、七之助/児太郎での金殿を観ています。
今回児太郎は七之助と玉三郎の二人のお三輪を相手にしますが、健闘を期待します。
玉三郎も、後輩たちへ自分の芸を間近で示し教えるチャンスですから、一際輝いて見せるでしょう。
中車が初の女方に挑戦するのも話題ですね。

詳しくは、歌舞伎美人(かぶきびと)をご覧ください。
最近サイトがリニューアルされ、「みどころ」「配役」などは、左上の方にクリックするボタンがあります。 

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