坂東玉三郎は
泉鏡花幻想小説の舞台化・映像化をライフワークとしています。
鏡花作品の品格や美意識を舞台化するときに発揮されるのが、
玉三郎の発想の斬新さ・表現の自由さ。
ときに「これこそ歌舞伎」という観客の固定観念をも飛び越えていきます。
たとえば
『海神別荘』の登場人物はほぼ洋装。
『天守物語』では姫路城の天守閣内部を4本の柱のみで表現。
現代劇にも通じるような何もない空間は、
俳優にとって力を試される場にもなりました。
『高野聖』では終演後の舞台に6台のカメラを入れ、
昼間の森もロケーション映像を挿入するなど、
映像でしか表せない方法で臨場感を出しています。
坂東玉三郎という最高の理解者が「翻訳」してくれるおかげで、
私たちはともすれば難解でとっつきにくい泉鏡花の作品の
本質に触れることができるのかもしれません。
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