今回「歌舞伎彩歌」でご紹介するのは「研辰(とぎたつ)の討たれ」です。
シネマ歌舞伎に「野田版」の「研辰の討たれ」がありますが、
その元となったお話。
片岡愛之助さんが主人公の守山辰次に扮しています。

「敵討ち」というと、皆さんはどのようなお話を想像しますか? 
清廉潔白な武士が、私腹を肥やす悪家老などに殺され、その家族が悪者を追い詰め成敗する!
…ふつうはこのような展開を思い浮かべますよね。
でも「研辰の討たれ」は違います。
第一に、仇を「討つ」側ではなく「討たれ」る守山辰次の方が主人公であること。
第二に、その辰次がとってもいじましくて二枚舌で、カッコ悪いことこの上ないキャラクターだということ。
「死にたくない!」とひたすら逃げまわる辰次は、決してヒーローではありません。
作者はなぜ「討つ」側の平井兄弟ではなく「討たれ」る側の辰次を主人公にしたのでしょう?

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